統合失調症は、未だに多くの誤解や偏見に満ちた病気の一つです。
身近に病気を患っている人がいるけど、どうしたら力になれるのか。
よく単語を耳にするけど、実際はどういう病気なのか。
そんな疑問にお応えするべく、この記事では、統合失調症の原因や治療法を解説しながら、病気になった際に関する注意点などをわかりやすく伝えていきます。
統合失調症とは?
統合失調症の主な特徴
統合失調症は精神疾患の一種で、思考や感情、行動に影響を与える特徴があります。
誤った固定観念を持たれることが多いですが、適切な治療で症状をコントロールし、社会生活を送ることが可能です。
症状として、現実と非現実の境界線が曖昧になったり、幻覚や妄想、思考の混乱、感情の鈍麻などの症状が現れます。
これらの症状は、患者によって異なる程度やパターンで現れ、日常生活に大きな影響を与える可能性があるでしょう。
早期の診断と治療が重要であり、患者自身や家族、周りの人々の理解とサポートが回復に不可欠です。
統合失調症の原因
統合失調症の原因は、遺伝的要因、環境要因、脳の化学的不均衡など、複数の要因が複雑に絡み合っていると考えられています。
遺伝的要因として挙げられるのは、主に家族の遺伝です。
統合失調症の患者がいる家族では、発症リスクが高くなる傾向があります。
環境要因として挙げられるのは、幼少期のトラウマやストレス、薬物乱用など。
また、脳の化学的不均衡、ドーパミンやグルタミン酸などの神経伝達物質の異常も発症に関与していると考えられています。
統合失調症の発症には、これらの要因が複合的に作用していると考えられており、具体的な原因の特定は難しいのが現状です。
しかし、早期の介入が症状の悪化を防ぎ、回復の可能性を高めるため重要です。
【遺伝的要因】
・家族の遺伝
【環境要因】
・幼少期のストレス
・幼少期のトラウマ
・薬物乱用
統合失調症の代表的な症状
統合失調症の症状は、大きく分けて陽性症状、陰性症状、認知障害の3つに分類されます。
陽性症状は、正常な状態では見られない症状で、幻覚や妄想、思考の混乱などが挙げられます。
幻覚は、実際には存在しないものを知覚することです。
例えば、幻聴は実際には聞こえない声が聞こえる、幻視は実際には見えないものが視える…など。
妄想は、現実とは異なる誤った思い込み、考えをもってしまうことです。
例えば、自分が有名人であると信じたり、自分が追われていると信じたりするなど。
思考の混乱は、思考がまとまらず、話が支離滅裂になる状態です。
陰性症状は、正常な状態では見られるはずの行動や感情が減退したり、消失したりする症状です。
例えば、感情の鈍麻、意欲の低下、無気力、社会的な引きこもりなどが挙げられます。
認知障害は、記憶力、注意力、判断力などの認知機能が低下する症状です。
例えば、物事を覚えにくくなったり、集中力が低下したり、判断ミスが増えたりすることがあります。
うう…。ゲームセンターにいるみたいにずっと音楽が聞こえるケロ
私は何も聞こえないけど…。病院いこうか!
【陽性症状】
・幻覚
・妄想
・思考の混乱
【陰性症状】
・行動、感情の減退や消失
【認知障害】
・記憶力の低下
・注意力の低下
・判断力の低下
統合失調症の治療法
薬物療法で再発予防
統合失調症の主な治療法の一つとして、抗精神病薬が用いられます。
抗精神病薬は、脳内の神経伝達物質のバランスを整えることで、幻覚や妄想などの陽性症状を抑制する効果があります。
また、抗精神病薬には、再発予防効果も期待できます。
抗精神病薬は、医師の指示に従って服用することが重要です。
自己判断で服用を中止したり、服用量を変更したりすると、症状が悪化したり、再発したりする可能性があるので注意。
主な精神療法2つとその効果とは?
統合失調症の精神療法には、認知行動療法、家族療法などが用いられています。
認知行動療法は、患者が自分が何を考えているのか、何を行動しているのかを認識し、安定した考え方や行動を身につけるための療法のことをいいます。
家族療法は、患者とその家族が協力して、病気への理解を深め、患者が社会生活に適応できるようサポートするための療法のことをいいます。
なんだか周りから監視されている気分だケロ…。でも、これは病気だから治るケロね?
うん。きちんとお薬飲んで、治そうね
リハビリ活動と社会支援
統合失調症の治療には、薬物療法や精神療法に加えて、リハビリ活動や社会支援をすることも重要です。
リハビリ活動は、患者が日常生活を送るためのスキルを習得したり、社会生活に適応するための訓練を受けたりするといった内容が挙げられます。
例えば、生活スキル訓練、就労訓練、社会生活訓練など。
社会支援は、患者が社会生活を送る上で必要なサポートを提供する活動です。
例えば、住居の確保、就労の支援、生活費の援助など。
リハビリ活動や社会支援は、患者が社会生活に復帰し、自立した生活を送るための重要なサポートとなります。
【リハビリ活動】
・生活スキル訓練
・就労訓練
・社会生活訓練
【社会支援】
・住居の確保
・就労の支援
・生活費の援助
病気になった際の注意点と再発防止策
治療の持続とモニタリングが必要
統合失調症の経過は個人差が大きく、病気になった後の症状や経過も患者によって異なります。
しかし、適切な治療を継続することで、症状をコントロールし、社会生活を送ることができるようになります。
治療の持続とモニタリングは、症状の管理に必要不可欠。
定期的に医師に診察を受け、薬の服用状況や症状の変化について相談することが重要になります。
また、患者自身も自分の状態を把握し、早期に症状の変化に気づくことが大切です。
再発しやすい病気なので対策が必要
統合失調症は、再発しやすい病気です。
再発を防ぐためには、早期の症状認識と適切な対応が重要です。
再発の兆候としては、睡眠障害、集中力の低下、意欲の低下、不安感、幻覚や妄想などの症状の悪化などが挙げられます。
これらの兆候に気づいたら、すぐに医師に相談することが大切です。
再発を防ぐためには、薬物療法を継続し、精神療法やリハビリ活動なども積極的に行うことが重要。
また、ストレスを管理し、規則正しい生活を送ることも大切です。
コミュニケーションの重要性
統合失調症の患者にとって、家族や友人、医療関係者などのサポートは、病気の快復に大きく貢献します。
彼らは、患者の理解者として精神的な支えとなり、社会生活への復帰を支援してくれるでしょう。
医療関係者は、専門的な知識と技術を提供し、患者の治療計画を立て、症状の管理をサポートします。患者は、自分の症状や治療について家族や友人、医療関係者とコミュニケーションをとることが大切です。
しかし、患者にとって、コミュニケーションをとることはとても難しいこと。
身近にいる人が、手を差し伸べてあげることが一番大切です。
うう、不安で話しづらいケロ…たすけてほしいケロ
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統合失調症について、一般の読者向けにわかりやすく解説された本だよ!
難しい専門用語を避け、図やイラストを多用しているから、医学や心理学の専門知識がなくても読みやすい内容になってるケロ!
まとめ
統合失調症は、適切な治療とサポートによって、症状をコントロールし、社会生活を送ることができる病気です。
早期診断と適切な治療を通じて、病気に向き合うことが大切。
しかし、周りによる継続的なサポートが重要です。
患者自身、家族、周りの人々が病気について理解を深め、患者を支えることが、回復への道を切り開きます。
著者自身も、周りの支えがあったからこそ早期退院することができました。
この記事を読んで、きっかけをつかむことができたのなら幸いです。
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